自室での電話

電話中に体が震えることが時折あります。
自分でも驚くほどがくがくと震えてしまい、スマホを耳に当てていることすら大変です。
歯がかちかちとならないように話すことを意識すると、息苦しくなってしまう。

電話の相手は変わりませんでした。
仕事の上司であろうと、気の許せる友人であろうと、両親であろうと、体が勝手に震えるのです。

不思議なことに、仕事で電話対応をしているときに、この震えは起こりません。
スマホでの電話の時だけ、この震えは発生しました。
そして、最近気が付いたのは、室内、それも自宅で電話をしているときにのみ震えるということ。

そうして、思い出しました。
私は実家の自室で電話をすることがすごく怖かった。

実家では自室こそありましたが、プライバシーなんてものはなく、扉を締めることも許されない。
私が部屋の中にいようといまいと、両親は好きな時に私の部屋に出入りします。
外から声を掛けるとか、ノックするとか、そんなことは全くありません。

勿論、声なんて筒抜けで、音楽を流していれば「またそんなものを聞いて」と言われて。
友達と少しでも電話をしていれば、誰と話していたのか、何を話していたのか聞かれて。
そんなことが当たり前だったので、私は自室で音を立てないように過ごしていました。
イヤホンも片耳だけして、足音が聞こえるようにしていました。
いつ、両親が部屋に入ってくるかわかりませんから。

自室ではありましたが、私はあの部屋にいるとき、心を休めることが出来ていませんでした。
その時のことが、まだ残っているのかもしれない。
だから私は、休めるはずの自宅で電話をするとき、震えるのでしょう。

少し話は変わりますが、昔から時折見る悪夢があります。
夢の中、私は必死に話そうとしているのですが、上手く話すことが出来ないのです。
がくがくと手足が震え、歯の根が合わなくなり、発する言葉は活舌悪く、呂律が回っていません。
必死に口を動かし、どれだけ頑張って話そうとしても、言葉をはっきりと発することが出来ないのです。

夢の状況は様々でした。
壇上に立って何かを発表しようとしている、お客様に何かの説明をしようとしている、誰かに何かを伝えようとしている。
どの状況でも、私は震えてうまく話せず、怖く苦しく、でもどうしていいのかわからない。
初めてその悪夢を見たときはもう思い出せません。
けれどこの光景、そしてこの感覚は体の奥底に染みついたかのように、ありありと思い出せてしまいます。

今の私は親元を離れ、別の場所で別の生活をしている。
この場所で何をしても、何を言っても、それに対して物申す人はいないのだと、頭ではわかっていますが、体に染みついた感覚は消えないのでしょう。
大丈夫、もう大丈夫だから、とゆっくりと自分に言い聞かせてあげたい。
そう思った日でした。

アダルトチルドレン、ノンセクシャル、HSP。 そんなわたしが抱える生きづらさを少しでも緩和しようと試行錯誤しています。 思いを綴ったり、色々なものに手を出したり。 今日の私が感じたことを否定しないことを念頭に置いて、のんびりとやっています。

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